気になる変わったしぐさ

肛門のう炎

 

下痢や嘔吐といった、明らかに身体の異常とわかるような症状ではなく、滑稽とも思える変わったしぐさをとっている時も、病気のサインである場合があります。

 

犬が自分の尻尾を追いかけているのを見ると、一人で遊んでいるのかと思ってしまいますが、これも一つの異常行動であり、注意が必要です。お尻に炎症がある場合や、ストレスから来る行動である場合があります。また、痴呆から来る行動という可能性も考えられます。まずはお尻に炎症や腫れがないかを確認してみましょう。

 

お尻を地面にこすりつけている犬は、お尻にかゆみがあったり、違和感を覚えている犬です。お尻の周囲が腫れていたり、炎症を起こしていたりする場合は、肛門のう炎や肛門周囲腺腫などの病気にかかっている場合が多くあります。

 

肛門のう炎は、肛門の左右の下の方にある肛門のうという小さな袋が炎症を起こす病気で、かゆみとともに肛門の周りの悪臭という症状も伴います。肛門のうにはにおいのする分泌物がたまっていて、健康なときは、排便時に便と一緒に排泄されています。正常に排泄されずに分泌物がたまると、炎症を起こしたり細菌に感染したりして袋に穴が開き、かゆみや悪臭の原因となります。

 

肛門周囲腺腫は肛門の周囲にある分泌腺(肛門周囲腺)にできるがんです。睾丸からでるホルモンが原因でがんが発生します。ペニスの周囲や背中の腰に近い場所、尻尾のつけ根などにも肛門周囲腺は分布していますので、そこが硬く盛り上がることもあります。肛門周囲腺腫は去勢していない高齢のオス犬に多く見られます。メス犬にはあまり見られません。