吐く 1

犬が食べたものを吐き出すのには、二つの理由があります。一つは、身体を正常に保つためのもので、そういう意味では生理現象とも言え病気ではありません。

 

味の濃すぎる食事や刺激の強すぎるもの、腐敗したものを与えたとき、食べ過ぎてしまったときなどに食べたものを吐き出すことがこれにあたり、吐き出されたものは消化されていない場合がほとんどです。

 

散歩の途中に草を食べて吐いたりするときもあります。こういった場合のことを医学的には「吐き出し」と呼び、「嘔吐」とは区別されています。

 

嘔吐は吐いたものがある程度消化されています。吐き出しと嘔吐は、吐き出されたものの消化のされ具合や、吐き出し方、吐き出した後の犬の様子などが異なりますので、飼い主がよく観察していれば、区別がつく場合がほとんどです。

 

嘔吐は下痢とともに消化器系の病気の2大症状でもあり、決して見過ごしてはいけない症状ともなっています。

 

理由もないのに一日に何度も嘔吐を繰り返す、激しく吐く、苦しそうに吐く、吐いたものの中に血や異物などが混じっているなどの場合は、注意が必要です。

 

吐き出しとは明らかに様子が異なるときは、動物病院を受診してください。また、「いつもの吐き出しだろう」と放置することは、危険な場合があります。

 

胃腸管に異常がある場合は嘔吐となりますが、胃腸の前にある器官である食道に異常がある場合は吐き出しとなります。吐き出しと思われるような吐き方であっても、勝手に判断はせず、様子を見た上での受診をおすすめします。